この地球には哺乳類は約6000種ほどいるとされています。他の種とともに生態系を構成しており、様々な地形や気象条件のもとで生活しています。これらの生態系は私たち人間も生きていくために多大な恩恵にあずかっており、動植物や細菌などを含む生態系にダメージが及ぶと私たち人間にも悪い影響をもたらします。
私たち人類は過去から現在まで、様々な物質を発明し、利用し、また生態系に影響を与えてきました。地球環境にも変化が生じており、地球上には生息数が減少してしまい、中には絶滅の危機に瀕している動物が多数存在します。
ここでは、動物園や国立公園などでも観察可能な大型の肉食獣に焦点をしぼって、絶滅の危機に直面している動物たちを紹介します。
ライオン
image by Charles J. Sharp / CC BY-SA 4.0
ライオンはアフリカ大陸と南アジアの森林、サバンナ、低木地、草地、砂漠に生息する大型の肉食獣です。彼らの個体数は、IUCNによれば、現在23,000から31,000匹ほどで、個体数は減少傾向にあります。ライオンは成熟すると他の動物よりも強く自然界には脅威となる他の動物はいません。しかし、人間によるライフルや弓矢などでの密猟が大きな問題となっています。背景として、スポーツとしてのハンティング需要や、ライオンの骨がアジア人の漢方用途需要などで国際取引されており、その残虐な行為や密猟・密輸などが大きな問題になっています。
トラ
image by Tanmay Haldar / CC BY-SA 4.0
トラはマレーシアやタイ、インド、ロシア東部などの東アジアや東南アジアの森林に生息します。トラには様々な亜種がいて、例えロシアに分布するアムールトラ(シベリアトラ)、インド亜大陸に分布するベンガルトラ、カンボジアやマレーシアや中国南西部などで確認されているマレートラ(インドシナトラ)、インドネシアのスマトラ島に生息するスマトラトラなどがいます。しかし、亜種単位での絶滅も多く、かつてトルコからイランにかけて分布していたカスピトラ、インドネシアのバリ島に生息していたバリトラ、同じくインドネシアのジャワ島に生息していたジャワトラなどが絶滅亜種となっています。トラの寿命は飼育下では26歳まで生きた報告もあり、通常は20年以上は生きると考えられていますが、野生のトラは生後8年から10年ほどで死亡します。野生のトラがなぜ飼育下よりも寿命が短いかの理由として、人間による迫害や密猟が問題視されています。IUCNのレッドリストによれば、現在の個体数は2,600〜3,900匹ほどでライオン同様に減少傾向にあります。トラの商業取引として、毛皮などを利用した衣服やアクセサリーなどのファッション消費、人間用の薬や動物用の薬のための材料にされたり、ペットや展示動物、ハンティングなどがあります。個体数減少の理由には、他に、生息環境の破壊が含まれます。
ヒョウ
image by tropicaLiving / CC BY-SA 3.0
ヒョウはジンバブエやザンビア、南アフリカ、トルコ、ロシアやインドネシアのジャワ島などに広くアフリカ大陸やアジア大陸の森林やサバンナや砂漠地帯に生息する大型の肉食獣です。かつては朝鮮半島や香港、モロッコ、アラブ首長国連邦などにも生息していましたが絶滅してしまいました。現在の個体数は不明ですが、IUCNによれば全体的な個体数は減少傾向にあると考えられています。野生の寿命は典型的には約10歳から12歳ですが、飼育下では21歳から23歳まで生存します。個体数減少は、生息環境の破壊につながる戦争や軍事演習や農林業や都市化やエネルギー産業や鉄鋼業の採掘や採石、そして、人間用の薬や動物用の薬のための材料にされたり、ファッションアイテムに利用されたりスポーツハンティングなどが影響しています。