世界最小の生き物たち!こんな小さくて可愛い生き物を見たことがない!
公開日:2021年09月13日

「世界一」は魅力的な言葉ですよね。人類の競技の祭典オリンピックでも世界一が決まりました。生き物の世界にはオリンピックはありませんが、私たち人類が発見した動植物の大きさで「最大」「最小」をご紹介しようと思います。今回はその中でも最小の生き物の特集です。


1. 陸上生活を送る体長5㎝未満の哺乳動物

まずは世界最小の哺乳類のひとつと言われている陸上動物からご紹介。

トウキョウトガリネズミをまずはご紹介しましょう。この動物をご存知でしょうか?トウキョウトガリネズミは日本の北海道に生息していて、ユーラシア大陸に分布するチビトガリネズミの亜種になります。鼻先から尾の付け根までの体長は5㎝弱ほど、尾の長さは3㎝ほどで、日本では最小の哺乳動物です。

次の写真はチビトガリネズミです。

image by Momotarou2012, CC BY-SA 3.0

チビトガリネズミは体長4㎝以下で更に小さい陸上生活を送る哺乳動物です。トウキョウトガリネズミを含むチビトガリネズミは人目を離れて生活をしていて、野生の本種を見つけるのは難易度が高いです。

上記2枚の画像をご覧いただくと分かる通り、トガリネズミの見た目はネズミではありませんね。何かに似ていると思いませんか?

そうなんです。トガリネズミはネズミらしい形のクマネズミやハツカネズミなどよりも、実はモグラに近いんですね。このチビトガリネズミが属するトガリネズミ科には小さい動物は他にもいます。コビトジャコウネズミがそうです。尾を除いた体長は4㎝となり、体重はチビトガリネズミよりもコビトジャコウネズミの方が小さくなります。

トウキョウトガリネズミは日本の環境省レッドリスト2020で絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されており、絶滅危惧種として登録されています。「絶滅危惧Ⅱ類(VU):絶滅の危険が増大している種」です。

なお、トウキョウトガリネズミを国内で一般公開されている動物園は多摩動物公園と札幌市円山動物園です。臨時休業などの情報も公式ホームページに掲載されています。

トウキョウトガリネズミの図鑑はこちら

 

2. 世界最小の猿

これまで世界最小の猿といえばピグミーマーモセットでしたが、1998年にその王座は交代しました。現在はピグミーネズミキツネザルが世界最小の猿として君臨しています。

image by Public Domain

ピグミーネズミキツネザルが生息するマダガスカル島はアフリカ大陸モザンビークの東に位置する世界第四位の面積を誇る島であり、生き物の楽園です。この島固有の生態系が出来上がり、さまざまな新種が現在も発見され続けているロマンを感じますよね。

ピグミーネズミキツネザルの大きさは、体長(頭胴長と言い、つまり鼻先から尾の付け根までの長さ)は7㎝弱です。この大きさは成体(アダルト)の大きさで、幼獣はもっと小さいのです。

ピグミーネズミキツネザルの図鑑はこちら

 

3. 世界最小の鳥

お次は世界最小の鳥のマメハチドリをご紹介しましょう!

南米のカリブ海に浮かぶ西インド諸島の国キューバに生息する固有種です。

image by Ekaterina Chernetsova (Papchinskaya) from Saint-Petersburg, Russia, CC BY 2.0

マメハチドリの大きさは体長5㎝から6㎝ほどという小さな鳥です。

花の蜜を飲むために、写真のように空中でホバリングします。その間の羽ばたき回数は1秒間になんと80回にも及びます。

さらに飛行速度は時速50Km近くになります。マメハチドリはキューバ固有種ですが、ジャマイカなど近くの島でも目撃されています。

マメハチドリの図鑑はこちら

 

4. 世界最小の両生類にして世界最小の脊椎動物

お次は世界最小の脊椎動物の地位についたカエルです。ラテン語表記である学名でPaedophryne amauensisと記され、ラテン語読みで「パエドフリン・アマウンシス」となります。以下ラテン語読みで解説します。

image by Rittmeyer EN, Allison A, Gründler MC, Thompson DK, Austin CC / CC BY 2.5

写真はパラタイプ標本のものです。つまり、この種を新種として登録された標本(ホロタイプ標本)以外の標本です。

パエドフリン・アマウンシスは面白い特徴をいくつも備えています。まず大きさが非常に小さく体長つまり鼻先から総排泄腔までの長さは雄で7mmから9mmほどです。学術的には雄しか発見されてません。そのため、繁殖の詳細は不明です。

彼らは卵から孵化して成体になる過程も面白く、幼生(いわゆるオタマジャクシ)の時期を持たず、卵から直接成体が孵化します。

また、水かきも持たず、パプアニューギニアの原生林の落ち葉や落ち枝の中に生息しています。生息場所は熱帯性で湿った環境のため、陸生である彼らも落葉楽枝の中にいることで水分の損失を回避していると考えられています。

パエドフリン・アマウンシスの図鑑はこちら

 

5. 世界最小の魚「ドワーフフェアリーミノー」

最後は世界最小の魚ドワーフフェアリーミノーです。

image by Aquaristikhaus / CC BY-SA 3.0

体長はわずか8mmほどで、先程のパエドフリン・アマウンシスが新種登録されるまでは世界最小の脊椎動物でもありました。

この魚はインドネシアのスマトラ島やビンタン島などの酸性の淡水に生息します。

ドワーフフェアリーミノーの図鑑はこちら


いかがでしたでしょうか。

この地球上にはこんなに小さな生き物、それも脊椎動物が住んでいます。

もしかしたら、あなたのお住まいの地域にも、こんな見たこともない小さな生き物が今も暮らしているのかも知れませんね。

野外活動や動物園、水族館などでたくさんの不思議な生き物、可愛い生き物、かっこいい生き物を探してみてはいかがでしょうか?

人生に新しい彩りが加わること間違いなしです!

ガイアノートでは、今後もこういった気になるトピックの記事も発信していきます。