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アカフサオネズミカンガルー

学名 : Bettongia gaimardi
英名 : Eastern bettong
英語別名 : Southern bettong, Tasmanian bettong

IUCNレッドリスト基準

準絶滅危惧(NT)

オーストラリアのタスマニア州の森林や草原などの陸上に生息する有袋類。

生息地・生息環境

アカフサオネズミカンガルーは、かつてはオーストラリア本土の南東部にも生息していましたが、現在はタスマニア州に限定して分布しています。彼らは草深い森林、草原、乾燥したユーカリの森林、硬葉樹林(すなわち短くて硬く、通常はとがった葉を持つ植物のある森林)など、陸上の温暖な環境に生息しています。

特徴

アカフサオネズミカンガルーは「小さなカンガルー」と表現され、飛び跳ねるのに適した特徴的な後肢と、短い前肢を併せ持ちます。体色は上部が茶色がかった灰色で、腹部は白色または淡色です。尾は頭と体を合わせた長さと同じくらい長く、通常は先端は白色です。尾は通常、カンガルーのようにバランスをとるためのものですが、非常に軽いものを掴むこともできます。
アカフサオネズミカンガルーは夜行性の動物です。縄張りの中にいくつかの巣を作り、一度に5個または6個の巣を使うこともあります。前足は菌類を掘ったり、他の食料源を探したり、ゆっくり動くときによく使いますが、捕食者から逃げるときなど速く動くときは主に大きな後ろ足に頼ります。
本種は雄雌ともに縄張り意識が強いのが特徴的です。繁殖期や離乳前の子持ちの雌以外は、基本的に単独で行動する生き物です。飼育下の雄は、一緒に飼育されると支配的順位を確立します。

食べもの、栄養

アカフサオネズミカンガルーは食菌性です。特に地下の菌類を好み、食餌の80%を占めると言われています。他には植物の葉、根、茎、木、樹皮、種子、果実、球根、樹液、その他植物からの出る液体、昆虫などを食べます。

生殖・繁殖・増殖

アカフサオネズミカンガルーは一夫多妻制で、1匹の雄が複数の雌と交尾をします。
繁殖は野生でも飼育下でも一年中行われますが、野生での繁殖は環境条件に影響されることがあります。妊娠期間は21日間で、通常1匹の子どもが生まれます。子どもが袋の中にいる時間が比較的短いため、1年に3匹もの子どもを産むことがあります。
雌はそれぞれの子どもを、最初は子宮の中で、次に腹袋の中で育て、子どもが自立するまで保護し、授乳します。子どもは約3.5ヶ月間腹袋(育児嚢)の中で過ごし、生後5ヶ月から6ヶ月で離乳します。
アカフサオネズミカンガルーは生後約12ヶ月で成熟します。