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ココノオビアルマジロ

学名 : Dasypus novemcinctus
英名 : Nine-banded armadillo
英語別名 : Nine-banded long-nosed armadillo, Common long-nosed armadillo

IUCNレッドリスト基準

低懸念(LC)

主にペルー、アルゼンチン北部、アメリカの一部に生息する装甲を持つ体長75㎝ほどの食虫動物です。

生息地・生息環境

ココノオビアルマジロは主にペルー、アルゼンチン北部、アメリカ(米国)の一部地域など先祖の土地に近い地域に生息しています。
生息環境は松林や熱帯雨林、木陰の多い森林地帯など、温暖な場所です。寒く乾燥した環境は苦手で、ローム質(砂や沈泥や粘土を含む肥沃な土壌)または砂質の土壌を好みます。これらの土壌はココノオビアルマジロが土を掘り起こしやすい環境となっています。

特徴

ココノオビアルマジロは中型で、体長は75㎝ほど、尾長は30㎝ほどです。
頭から尾までの全身をスコーテと呼ばれる堅い角質鱗の装甲(甲皮)で覆われています。肩と尻には特に大きな甲皮を持ち、胴体には体を曲げるための通常9本(範囲は8本から11本程度)の細い関節状の装甲帯があります。また尾はおよそ12本から15本の輪状の鱗で構成されます。
頭部は細く小さく尖っており、長い鼻、大きく尖った耳、釘のような歯を持っています。前足には太くて鋭い大きな爪があり、穴を掘って潜るのに役立ちます。下半身は柔らかく、鎧に覆われてはいますが、毛皮は少ししかありません。ココノオビアルマジロの毛がまばらなため、環境の気温に非常に敏感です。彼らは泳いだり走ったりすることを得意としていて、水中を歩いて小さな水路を渡ることも簡単にできます。

ココノオビアルマジロは単独で行動し、主に夜行性です。通常、夜間や明け方または夕暮れ時に餌を採食しますが、曇りや寒く冷え込む天候の時には日中の早い時間帯に外に出かけます。

ココノオビアルマジロは冬眠はしませんが、生息地の北部では夏季の間の方が活発に活動します。
彼らは顔や足、背中から出る分泌物で自分の縄張りを示します。
視力は弱いですが、嗅覚は非常に優れています。
また彼らは木の幹に自身にとって都合の良い大きさの穴を掘ります。
怖がったり、驚いたりすると90㎝から120㎝ほどの高さまでジャンプすることがあります。

食べもの、栄養

ココノオビアルマジロは昆虫食で、緩い土を鼻で掘っていき獲物を見つけて採食する動物です。粘着性のある長い舌で、アリやイモムシ、ミミズ、シロアリなどをつかみ、舌で包み込んで食べます。また塊茎や小型の爬虫類、両生類も食べます。

生殖・繁殖・増殖

ある繁殖期においてココノオビアルマジロは一夫多妻制をとることを示す研究があります。
ココノオビアルマジロは生後1年ほどで性的に成熟します。
生涯を通じてほぼ毎年子どもを産み、雌は一生の間に56匹もの子を産むことがあります。
繁殖は7月から8月にかけて行われます。
雌はおよそ4ヶ月ほどの妊娠期間を経て、通常4匹の子(四つ子)を生みます。これらの子どもたちの発生はまず同一の受精卵から始まり、子宮壁に着床すると4つの胚として発生していきます。その後、それぞれの胚が羊膜腔を形成していき、さらに同じ胎盤を共有して育ち、最終的に同性の赤ちゃんが通常4匹生まれてくるという訳です。ココノオビアルマジロの赤ちゃんは柔らかい革のような肌をしていますが、成長するにつれて鎧のように堅くなります。赤ちゃんは約2ヶ月間授乳し、さらに2ヶ月から3ヶ月ほどの間は母親と一緒に過ごします。

ココノオビアルマジロの画像