生息地・生息環境
シマウサギワラビーはかつてはオーストラリア南西部全域に生息していましたが、現在は西オーストラリア州沿岸から50kmから60kmのシャーク・ベイに浮かぶドア島(ドーア島)とバーニア島にのみ生息します。オーストラリア本土での最後の目撃記録は1906年です。また、フォール島には小さな個体群が持ち込まれました。
これらの島々では、このワラビーは棘のあるアカシア低木が優占する厚く密生した低木林に生息し、本種は隠れ家のためにこれらの密生した植生を必要としています。
分布形式 | 規模 | 状態 | 場所 |
自然分布 | 国 | 現存 | オーストラリア連邦 |
---|---|---|---|
地域 | 現存 | 西オーストラリア州(オーストラリア) | |
ピンク色:人為導入
特徴
シマウサギワラビーはオーストラリア諸島に生息する灰色毛の有袋類です。
1897年に発見されたこの動物はカンガルー科(Macropodidae)に属し、かつてオーストラリア全土に生息していたシマウサギワラビー亜科(Sthenurinae)の少なくとも20あった「短顔のカンガルー」グループの唯一の生き残りです。このワラビーの名前の由来となった背中の下の部分にある特徴的な黒い横縞は、1699年当初は「アライグマの一種」という誤った記述につながりました。この動物は、かつて巨大なブラウジングカンガルー(Browsing kangaroo)から構成されていたグループの中で唯一現存する動物として、今日では珍しい存在となってiいます。
シマウサギワラビーの体長は40.0㎝から45.0㎝ほど、尾は長さ35.0㎝から40.0㎝で直径は1.3㎝から2.1㎝ほどになります。
この種は他のウサギワラビーと違って社交的で、しばしば小さな集団で集まっています。夜行性のため、昼間は密集した低木の下の「走路」に避難しています。そして、夜間にだけ、通常は散在する避難所の開けた場所で食事をするために出てきます。
雄同士の交流は攻撃性が高く、餌の奪い合いが激しい戦いの理由と思われます。一方で、雌雄の成体はそれぞれ明確に定められた生息域に住んでいるようですが、雌の成体同士や、成体と子どもの関係は攻撃的でないようです。
本種は鋭い視覚と聴覚、嗅覚、触覚を駆使し、環境を認識します。
お互いのコミュニケーション方法はよく分かっていませんが、おそらく視覚的、化学的な合図の両方を使用しています。
食べもの、栄養
シマウサギワラビーは草食動物(葉食動物)で、主に草を食べます。また、生息域にある果実、低木、その他の植物も食べます。
生殖・繁殖・増殖
シマウサギワラビーの交尾システムはよく分かっていません。
繁殖は季節的なもので、夏から始まり、秋にピークを迎えますが、その時期が延長され、2月から8月にかけて行われることもあります。妊娠期間は数ヶ月のようで、通常1匹の子どもが生まれますが、ときに2匹生まれることもあります。子どもは少なくとも6ヶ月間は母親の袋の中にいますが、生まれて約3ヶ月後に離乳します。
他の種のカンガルーと同様、母親は子どもが袋の中にいる間、受精卵の発育を遅らせることができます。このメカニズムは胚休眠または発生休止と呼ばれます。袋の中の子どもが死んだり、袋を出る準備がほぼ整ったときに胚は「再活性化」されます。
性成熟は1歳ですが、繁殖は通常2年目まで行われません。